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冬季うつ病について

森 貴俊
  (もり たかとし)
心療内科 新クリニック副院長
長崎市住吉町2-26-2F
TEL 095-848-7867

心療内科 新クリニック

「毎年冬になると気分が落ち込む・・・」。そんな方、いませんか?
もしかすると、“冬季うつ病”かもしれません。

◆“冬季うつ病”とは?
 冬季うつ病とは、毎年、秋〜冬にのみうつ症状を認めて、春・夏になると自然にうつ症状がなくなるタイプのうつ病です。ただし、一般的なうつ病とは違った症状がみられることも多いので、うつ病とは認識されずに、冬の間、ただ我慢している人も多いといわれています。

□■ 症状の主な特徴
      ・やる気が起きない(意欲の低下)
      ・寝ても寝ても、眠たい(過眠)
      ・甘いものや炭水化物(チョコレートや菓子パン、ごはんなど)が欲しくなり、
       食べすぎてしまう(過食、体重増加)
      ・疲れやすく、体が重たい

■□■ 発症しやすい人
 一般的なうつ病とは異なり、何かストレスな出来事がきっかけで起こるというわけでなく、自然に秋〜冬に上記のような症状が出てきます。
 男性よりも女性の方がかかりやすく、20代での発症が多いのが特徴です。

 冬季うつ病発症の主な原因として、日照時間が短くなることが関係していると分かっています。 よって、緯度の高い地域に住んでいる人の方が発症率も高くなります。
 日照時間が短くなることで、セロトニンやメラトニンという脳内ホルモンの分泌異常が起こり、発症すると考えられています。
 冬季うつ病は、冬場の生活習慣と混同されてしまう可能性があり、ついそのまま見逃されてしまいやすいので、注意が必要です。

■□■ 診断・治療について
 本人やご家族から詳しくお話しをお聞きして診断を行い、個々の症状に合わせた治療を行います。
 下記の“季節性得点” をつけてみて、12点以上の場合は冬季うつ病の疑いがありますので、専門医療機関を受診し、相談されてみてください。 

 

 季節性得点 

次の事柄は季節によってどの程度変化しますか。

以下のA〜Fの各項目について、1〜5のうちあてはまるものを一つだけ選んで下さい。

   1.変化なし・・・・・・・・・0点
   2.少し変化する・・・・・・1点
   3.中等度の変化・・・・・2点
   4.かなり変化する・・・・3点
   5.極端に変化する・・・・4点

   A.睡眠時間・・・・・・・・・・・・(    )
   B.人とのつきあい ・・・・・・・(    )
   C.全般的な気分の良さ ・・・(    )
   D.体重・・・・・・・・・・・・・・・・(    )
   E.食欲・・・・・・・・・・・・・・・・(    )
   F.活動性 ・・・・・・・・・・・・・・(    )
                 合計        点

■□■ 治療法について
 治療法には、光照射療法、薬物療法および心理社会的アプローチ(心理教育)があります。
冬季うつ病には、実は、“単極型(うつのみ)”と“双極型(うつと躁の両方)”があり、それぞれで治療方針が異なります。
 双極型の場合には、春や夏は逆に気分が高揚し、元気すぎる状態になります(これを“躁状態”といいます)。

【光照射療法】
早朝に30分〜2時間程度、2,500〜10,000ルクスの光を浴びると、早い場合には3〜4日で症状が改善してきます(単極型)。
双極型の場合には、気分安定薬を内服したうえで、光を浴びる時間は単極型よりも短くします(長時間浴びると、逆に気分が高揚しすぎてしまう場合があるため)。
光照射療法には、専用の機器が必要となります。市販されており個人での購入も可能ですが、必ず専門医の指導のもと、使用してください。

【薬物療法】
抗うつ薬や気分安定薬を用います。
双極型の場合には、基本的には気分安定薬の内服が必要です。

【心理教育】
病気の正しい理解を得ることで、初期段階での治療の開始や、再発の予防が可能となります。

■□■ 予防法
1.規則正しい生活を送り、朝はカーテンを開けて、日光を浴びてください。
日中も晴れている日には積極的に戸外に出て、日光を浴びましょう。

2.バランスの良い食事を3食きちんととりましょう。
神経伝達物質であるセロトニンの減少が冬季うつ病の原因の一つと考えられています。
セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンからつくられますが、吸収の際には炭水化物やビタミンB6が必要です。
よって食事は炭水化物を中心に、肉や魚、大豆などのたんぱく質を欠かさず、ビタミンB6を多く含む食品(まぐろやかつおなどの魚やレバーなど)を積極的にとりましょう。

3.有酸素運動を行いましょう。
ウォーキングや軽いジョギング、エアロバイク、水泳などの有酸素運動を行うと、脳内で抗うつ作用をもつ神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリン)が分泌され、気分がよくなることが分かっています。
普段から運動をする習慣をつけておくとよいでしょう。

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